火行の干のことを『炎上』とも申します。陰干の丁は文字通り炎にたとえられますから「炎」です。
干の性状は例えられるもののありようによく似てるものですが、丁は特に炎がどういうものかを考えると分かりやすいです。
丁の性状
太陽にたとえられる陽干の丙が自分で輝き熱源になるのに対して、陰干の丁は何か燃えるものがあって初めて明るく照らし熱源となります。
丁は根のあるなしや月支との関係で表面に出てくる性格がかなり異なって見えるため、「丁だから」でひとくくりにしずらいところがあるよなぁと私は思っております。
熱中型
炎はばーっと燃え上がるものです。丁は物事に対して非常に熱中する面があります。丁に根があって強いと周りを振り回しながらのめりこみます。
ただ、炎は何かしら燃えるものがないと燃え続けることができないので、干単品だとそれほど力が強くありません。命式に木(特に甲)の印星がないと周りが呆れるほどぱたっと飽きてしまうことがあります。
おしゃべり
丁は人体ではちろちろ動くことから舌を表します。丁は傷がなければ早口で弁が立つとされます。一方、命式に水気が多くて十分に炎を上げられないと話すうちに話の内容が見えなくなりがちです。
移り気
炎は燃え移ることから本質的には移り気なところがあります。
ただし、癸の偏官が隣接していると一つのこと(モノ・人物)にしつこいほど執着する傾向が出やすくなります。
丁と季節(月支)の関係
丁は火行ですから、夏月の巳・午・未を旺とみます。陽干の丙と同様に命式内の温度調節に関わる干ですから旺じすぎに注意が必要です。
春月(寅・卯・辰)生まれ
春月は丁にとって印に当たりますがまだ気温が低く湿度も高いため丁の火力は弱めです。
寅の蔵干に丙の火がありますが、丁が命式を暖めてバランスをとる役目をまっとうするためには火行の地支が欲しいところです。
夏月(巳・午・未)生まれ
夏の丁は旺です。夏場に焚火すると暑くてたまりません。
夏の丁(特に巳・午)は天干に木があり土がない場合強まりすぎてバランスが悪いですからちょっと傷があるくらいの方が安定します。
夏の丁に抑えるものがないと火力が強すぎて性格や人となりのクセが強くなりがちです。
秋月(申・酉・戌)生まれ
秋の丁は火力としてはやや弱まってきています。
丁は庚の剛金を焼いて鍛錬する干ですから、命式に庚があると喜びますが、庚の強さに見合う力量がない場合は燃料を足して火力を上げる必要があります。
冬月(亥・子・丑)生まれ

冬の丁は火力が最弱です。命式を暖める調候の役目を果たすためには燃料となる木が欲しいです。
焚火に水をぶっかけると火が消えてしまいますね。丁は燃える火なので存在そのものがなくなる水の剋を恐れるのですが、冬月の丁はそもそもが弱いので消されてしまう危機感を潜在的に持っています。
そのため、冬月の丁に強い癸の偏官がはりついているような場合は助けてくれる人に非常に依存してすがりつく傾向が出やすいです。
丁は根や剋のあるなしで現れてくる性質に差が大きい干です。
四柱推命は日主と命式全体の兼ね合いで読み取っていきます。同じ干でも隣に何があるか、どんな大運がめぐっているかで性状の表れ方が異なってきます。
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